【ミスターパーフェクトは恋に無力】にコメントを受けとりました。
読んでいただいてありがとうございます。
ご縁がありまして幸いです^^
返信はネタバレになりますので、下方の部分、未読の方は閲覧にご注意ください。


条件については、そもそもが千雪に加納の名を名乗らせるためであり、また遺産の権利を持たせるためであり、延いてはそうするために茅乃をいかに納得させるか、滋は建留に財産を譲ることを条件にした結婚が最適だと考えました。
条件の4年を経て、建留と千雪がうまくいけば、そして茅乃の気持ちが変われば、という希望は当然ありました。
千雪がそれを知った時点で、滋の思惑、あるいは希望は破たんしてしまいます。
序章での千雪に向けた言葉、これからも加納を名乗らなければ離婚の証人署名はしない、それが滋の本音です。

そのうえ4年を待たずして千雪が出ていくと相続権は建留のものではなくなるのに、途中で計画を茅乃が千雪にばらしてますよね?

建留が自分のことを復讐の道具と言っているように、茅乃は建留がやさしいことを悪く言えば利用していて逆らうはずがないと思っています。
条件は滋が考え、茅乃がそれを知らされた時点で建留が条件を了承していることを当然、確かめています。
また、ホテルでのハネムーンもどきのあと、加納家に帰ったとき、茅乃は、学生のうちは子供は作るなと家族の前でふたりに堂々とお達ししています。
ハネムーン中に妊娠していたらという可能性もありますが、旭人を置いて母親を追いだすくらいですから、建留の子と考えれば手元に置いておくかもしれないし、母子ともども追いだしたかも…というと茅乃は極悪人になってしまいますが、いろんなことに取り憑かれていたので。
建留の立場から言えば、千雪が加納家に来たときに、結婚話を持ちだされると同時に千雪がどういう存在かを滋から知らされました。第1章の最後のシーンでほのめかしています。建留もわざわざ揉め事を起こすような人間ではありません。だれよりも千雪のためにと建留が思う一方で、建留が諍いを避けたがる人間であることを茅乃は見越しています。
千雪が結婚の条件を知ったのち妊娠させようともくろみますが、この時点で建留にとってはもう子作りをしないという理由もなくなり、引き止めるための最後の手段でした。
茅乃が条件終了の前にばらしたのは簡単に言えば、ふたりの仲の良さを見兼ねて、といったところでしょうか。うまくいってはかないません。つまり、仲違いをさせるため。
茅乃ではなく滋のほうが「条件」を提案した以上、茅乃はふたりの結婚が失敗したとしても表面上は結婚を受けいれており、根本は滋のせいであって、「償い」として権利は主張するでしょう。契約書付きの結婚ではないので。
千雪が離婚を拒んだら、という前提は、茅乃には前例(息子夫婦)もありますし、もとから存在しません。
茅乃は滋の弱みと建留のやさしさに付けこんだわけです。
結局は茅乃が思うようにはいってませんし、いずれにしろ「リスク」は離婚を拒む以前に、結婚を認めた時点で背負っていたわけです。
というところで、ご理解していただいたでしょうか。
引き続き楽しんでいただけると喜びます。
コメントをありがとうございました(*´ω`*)ノ
Reyuna 深謝